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[ 大型本 ]
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「クリムゾン・エンパイア」公式サイドブック
・QuinRose
【ピクト・プレス】
発売日: 2009-03-20
参考価格: 2,940 円(税込)
販売価格: 2,940 円(税込)
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・QuinRose
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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越境者 松田優作
・松田 美智子
【新潮社】
発売日: 2008-01
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
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・松田 美智子
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カスタマー平均評価: 4
松田優作の最大の理解者は自分だということが書きたかったのだろうか? 著者自身は序章で、「ノンフィクションの仕事を続けてきた経験や、年月の経過もあって、彼の全体像を客観的に見ることができるようになった」と記しているのだが、そうかなぁ・・・。全然客観的じゃないなぁ。読んでいて最後までなんともいえない違和感が残ってしまった。
彼女は松田優作に縁のある人へのインタビューと自身が彼と過ごした年月を書き記すことによって松田優作の人間像を浮かび上がらせようとする。元妻でありノンフィクションライターを生業とする著者がとる手法としては正しいのだと思う。しかし、他にもその点に触れている方もいたのだが、でも結局、著者の、彼松田優作の最大の理解者は私であったという思いが前面に出てしまっている。
これが、“客観的な”だとか“評伝”とかいった言葉を使わずに単に“回顧録”として発売されたものであればこういった不満はでなかったのだと思う。もっとも職業を考えれば、回顧録と銘打って出版することはあり得ないことだが・・・。
もっとも違和感があったのは松田優作の治療を行なった医師と彼が信頼していた新興宗教の指導者への取材が掲載された部分だ。
医師というよりも宗教家にでもなった方がいいのではないかと思えそうな主治医、最後は取材拒否をしたが、その前に著者に対して送られてきた文章や電話での対応からは、カリスマのカの気配も感じることのできない宗教家に対して、何故松田優作が絶大な(妻子以上の)信頼を寄せたのかという疑問に対する著者の“冷静な”検証はない。彼を死んだのは周りの人がダメだったからというふうにいしかとれない一方的な見方であり糾弾だ。
闘病中に彼が妻子(熊谷美由紀夫人)に距離をおいていたという例として、闘病中の熊谷夫人と松田優作の関係について夫人が語った記事を引用しているのだが、これだってよく読んでみれば違った見方だってできるような気がする。
また、この主治医に対する取材は平成7年のものとされ、本書の出版に際し再度取材をした(試みた)ということは触れられていない。もしかしたらその主治医は鬼籍に入ってしまっているのかもしれないが、そのことも記されていない。
元妻でなければ書けないような事柄や桃井かおりからみた松田優作像など非常に興味深い内容が多かったにもかかわらず、それ以上に違和感が残ってしまった一冊だった。
コンプレックス 映画やドラマで見せるまぶしいほどの光の陰には私生児、在日などの深いコンプレックスがあり、それがマグマのようなモチベーションとなっていたのだろう。
企業経営者などもそうだが、度が超えた成功を求めようとするものは周りを平気で傷つけ、踏み台にし、ドライに関係を切りながら、それでも惹かれてしまうなにかを持っている。
やっぱり凡人とはなにかが違うな。
日本国籍へ帰化を申請する際に書かれた文章はとても悲しかった。
死の前の期間には新興宗教にはまっていく姿も痛々しい。
死の恐怖の前にはそういった不合理なものにまで救いを見出してしまう。
死後20年過ぎてなお人々に記憶に残り、本が出版される。
すごい男だ。
才能と器 松田優作の最初の奥さん、といえばいいのだろうか。1975年に結婚、6年後に別れた作家、フリーライターの美智子氏(名字だとややこしいので名前で書きます)が、自らの体験や知人、友人などさまざま人たちへの取材を通じて描きだした「伝説の役者」の姿。力作だ。
僕自身の“松田優作歴”は「太陽に吠えろ!」のジーパンが皮切り、でもなんといっても日テレで放送されていた「探偵物語」にはまった。特に後者は再放送を含めるとすべての回を見ているし、全シリーズを収録した特集本なども買い求めた。松田優作演じる探偵工藤が使っていたやたらと炎のでかいライターがカッコよくて、仲間たちと100円ライターの火を最大にする工夫をしたものだ(高校生でしたが)。
そんな自分にとってもヒーロー(あえてそう書くけど)だった男の人生はかなり痛々しい。純粋であることも貪欲であることもわかるけれど、何もそこまで、という凄まじさに満ちている。
それが生まれ育った境遇からくるものなのか、役者として本人が求めるところからくるものなのか(たぶん両方だろう)わからないが、読んでいて感じるのは人間としてのバランスの極端さだ。良いとか悪いとかではなく、自らが自らを駆り立て、そして追い込むような強烈な不具合というか。
たとえば普通のファミリーセダンにレースカーのエンジンを載せてしまったような。表現者としての荒々しい才能を繊細な心に積んでしまった松田優作は、車体やサスペンションのきしみを周囲の人間にもぶつけながら走り続けたのではないだろうか。その軋みが、僕にはどうしようもなく人間的に見える。
ところで音楽の好みでいえば、結婚当初は前衛ジャズを聴いていて、何年か後にはマイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーンなど50年代のものに嗜好が変わったということだが、本当に彼はそれを楽しんでいたのだろうか。僕にはどこか、いまはこれを聴かなくてはという感じだったのではと思えてしまう。それは常に何かを追いかけている、もしくは追われている松田優作の姿がこの本の透かし絵のようにつきまとっているからだ。
素朴な少年が、世を渡る代金がわりに恵まれた身体と役者の感性を渡されて、さあ行ってこいと世間放り出された。そんなイメージが目の前にちらついてくる。激しく、そして哀しい一冊でありました。
番外編として、ちょっと文章について。著者の美智子氏は役者(テレビデビューは松田優作より早かった)の時代を経て、プロのライターとして活動している人なのだが、語り口がせわしなくてどこか素人っぽい気がする。しかしその感じが逆に松田優作と過ごした日々の臨場感を生んでもいて、結果効果的であったりもする(もし計算だったら凄い。土下座もんです)。
喧嘩に勝って「あらまあ、優作ってやっぱり喧嘩に強いのね」とハートマークのつきそうな一文がときおりあるのはご愛嬌としても、書き手として綴る行間からときおり立ち上る情愛や恨み、またある種の同士感からは、まだ多くの人間の中で松田優作という男が生きていることを再認識させられる。闘病中に信頼していた医師や怪しげな宗教指導者たちに対する取材は執筆にあたって当然のことかもしれないが、その徹底ぶりにはやはり感嘆する。だからこそ、再婚相手である美由紀氏の談話がないのがちょっと残念。まあ、さすがに難しいもんなんでしょうか。
読めば、優作氏のイメージが変わります 当時 リアルタイムに、「ジーパン刑事登場」放送1時間で無名の新人俳優松田優作に完璧に魅せられ、その後、「殉職」「俺たちの勲章」「蘇える金狼」「探偵物語」までの単純な意味でのハードボイルド系の役柄が好きでした。その後の自身の意向を反映させ始めたころの役柄には、役者としてすごいことを言っているのだろうけど作品に今ひとつ前述作品のようには惹かれず、距離をおいて傍観しているといった感じでした。 その後、氏が膀胱ガンで急逝したときも、その後10年経て新聞で在日朝鮮籍であった記事を目にしても、それなりの驚きはありましたが、妙に予定終止であるような受け止め方をしたのを思い出します。
この本は、私が魅せられていた頃の伴侶であった筆者が書いた「松田優作」回顧録ですが、プライベートのエピソードを懐古調に書いているものではなく、一般ファンの我々が観ていた優作氏のスポットライトが当たっていた部分の輝きを、裏側の優作氏の「人」「生」の不安・悲しみ・焦燥・怒りの暗闇を、一段と掘り下げることで、明暗のコントラストを際立たせるような、印象を持ちました。 具体的には、優作氏が学生時代、明星や平凡という雑誌を講読していたり、腎臓が片方機能していないこと 近視であったこと 中耳炎に悩まされていたこと、空手の有段者でなかったこと等、画面の印象から、そんな感じも受けてましたが、初めて確認できました。またカリスマと呼ばれる人に見られがちな、自分の取り巻きに必要以上の要求をすることが行き過ぎ、離れていった人や、方向性の違いで関係を絶った人たちもずいぶんといた中での我々の観ていた役者松田優作の方向性だったのだ。とあらためて感じ入りました。
筆者のスタンスも、近しいひとに陥りがちな、ワン・サイド・ジャッジになっておらず、私には、真っ当な見解に思えます。本文を通してプライオリティーがずれすぎ弱いものいじめの検察、人物の本質を見ようとしないで動かない外務省、悩んでいる者を余計に悩ます新興宗教等の批判になっている点に好感が持て、松田優作ファン以外のかたでも、この3件に興味のある人には、参考になると思います。
読後再考し、当時の私は優作氏に、自分に無い部分のタフでワイルドな強い松田優作に惹かれていたことよりも、出自と育った環境と自分の身体に悩み、将来への野心と不安を抱えながら、突き進んでいった自分と類似性を画面から感じ取っていたのではないか?と思えてきました。この本を読むことによって、優作氏へのイメージは、確実に変化をもたらすと思います。
村川透監督、死後初めて“松田優作”を語る! 平成元年11月6日、40歳(戸籍上は39歳)の若さで亡くなった俳優・松田優作の評伝を前妻であり、ノンフィクション作家である松田美智子氏が書いた労作である。本書は世間一般で語られている偶像的な松田優作像とは別(闇)の面 (隠し続けた出自、若き日の苦悩、父親としての素顔、晩年に頼った新興宗教など)を取材を通して克明に描いており、共に暮らして最も身近な存在であった著者でしか感じる事ができない内面性を浮き彫りにさせており、松田優作(特に70年代の)を改めて知るには貴重な証言や秘話が満載である。
出自に対する負い目や執着心、また現状に満足せず、向上心旺盛であるが故に著者のみならず周囲と衝突を起こす様子が伺える。共犯関係であった脚本家・丸山昇一氏でさえ、均衡を保ちながらも愛憎の狭間で優作氏と親交を続け、氏の訃報を知った時に思わず緊張の解放感からのガッツポーズと悲嘆に暮れる様子が“松田優作”という人物像をよく捉えていると思う。
またがんに侵された優作が、義母の紹介で新興宗教にはまっていたこと、さらには主治医とのオカルト的な不可思議な関係(映画評論家・谷岡雅樹氏も『三文ガン患者』〈太田出版刊〉で主治医の態度に疑問を呈していた)の件は優作氏の印象から考えると知りたくない挿話である。死の恐怖から免れたい事はわかりつつも優作氏の最期が家族や仲間よりもこのような主治医と宗教家に信頼を寄せていた事が残念に思えた。
それでも古くからの友人・水谷豊氏や桃井かおり氏が語る優作像は面白く、そのなかでも終章の村川透監督(『蘇える金狼』『野獣死すべし』)のコメントは最も驚嘆した。優作死後、村川氏はメディア等で優作について語った事は一切なく、晩年の撮影での確執が原因ではないかと噂されていたが決してそうではなく、優作氏との関係を大事にするが故にであることを知り、感動しました。
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[ 単行本 ]
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ブロードウェイ夢と戦いの日々
・高良 結香
【ランダムハウス講談社】
発売日: 2008-10-23
参考価格: 1,260 円(税込)
販売価格: 1,260 円(税込)
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・高良 結香
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カスタマー平均評価: 4
英語の上手な理由 TVで英語を上手に話す姿をみて、「日本人なのになんでこんなに英語できるの?」と疑問に思っていて。。。この本を読んで、理由がわかりました。うちの息子も英語上手にしたいと思ってまして、参考になりました。
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[ 文庫 ]
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世界は「使われなかった人生」であふれている (幻冬舎文庫)
・沢木 耕太郎
【幻冬舎】
発売日: 2007-04
参考価格: 600 円(税込)
販売価格: 600 円(税込)
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・沢木 耕太郎
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カスタマー平均評価: 5
沢木耕太郎独自のアプローチによる映画論集。 他のレビュアーの方と同じ書き出しになってしまうが、映画が好きである、当然、映画について書かれた文章を読むのも好きになる。映画と言うのは、あらゆる芸術表現の中で、それに触れる者が最も受動的に感受出来るエモーショナルな総合エンタテインメントであるから、映画について何か書くと言う行為は、評論家、ジャーナリストに止まらず、イラストレーター、エッセイスト、タレント、デザイナーから我々一般人まで昔からあらゆる分野の人々で行われてきた。ところが、その中で、作家が映画について言及している事は、映画好きが多いにも拘らず、同じ創作活動に携わっている事からくる配慮なのか、意外なほど少ない。そんな中、沢木耕太郎は、新聞や雑誌紙上で、映画について積極的に語っている希有な作家である。しかも、そのどれもが納得させられるのだ。映画の登場人物の内面を掘り下げ、洞察する力は、ルポルタージュ作家として、絶えず“生身の人間”と“人生”を凝視してきた沢木の真骨頂だ。映画と言うフィルターを通しながら、「ありえたかも知れない」あるいは「使われなかった」人生を解析しながら、読み手にも、自身のケースを夢想させたり、思いを馳せたりする事を喚起させる魅力を持った1冊。論じられている映画はマイナーな作品が殆どだが、DVDやヴィデオ化されているモノは多い。
沢木独特の映画評論。いつも感心させられる。 映画好きで映画評論もよく読む。しかし、映画評論を生業にしている人たちの映画評論はたいてい面白くない。読み手としては、その映画が面白いのか、面白くないのかを知りたい。しかし、その欲求に答えてくれる映画評論は少ない。映画評論家の宿命かもしれないが、あまりハッキリ書くと制作会社や配給会社との関係がまずくなるから評論の中身が曖昧になってしまうのかと勘ぐりたくなってしまう。その点、沢木耕太郎は自分が好きな作品しか書いていない。ノンフィクション・ライターである沢木にとって、映画評論は趣味的な要素がかなりあると思われる。そうしたスタンスで書かれた沢木の映画評論は独特で、いつも読むのを楽しみにしている。とくに、その分析的記述は極めて個性的だ。観る前に読んでも参考になるし、観た後読んでも面白い。月に一回、新聞と雑誌に掲載される映画評論をいつも楽しみにしている。こんな映画評論を書く人は沢木以外にいない、と思う。
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[ 単行本 ]
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韓国時代劇66の謎
【TOKIMEKIパブリッシング(角川グループパブリッシング)】
発売日: 2008-08-30
参考価格: 1,365 円(税込)
販売価格: 1,365 円(税込)
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カスタマー平均評価: 3
もっと韓流時代劇を楽しむために 最近流行の韓国時代劇ですが,やたら長いのが玉に瑕ですね。そんな時代劇の中で,“あんな物は実在じたのだろうか?”“チャン・ボゴはどうして反逆者と呼ばれているのか?”“ホジュンが身に付ける白い鉢巻と黒い帽子の違いは?”“葬儀の後は何時まで喪服を着る?”など,不思議に思ながらドラマを見ていた方も多いと思います。
現代劇と違って,言葉も古い時代のものを使っていますし,興味は尽きない韓国時代劇ですが,当時の謎が少しでも理解できればもっとドラマは楽しくなと思います。
本書で貴方も韓国時代劇通になって,さらにドラマをお楽しみください。
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[ 文庫 ]
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私の好きな曲―吉田秀和コレクション (ちくま文庫)
・吉田 秀和
【筑摩書房】
発売日: 2007-12-10
参考価格: 1,365 円(税込)
販売価格: 1,365 円(税込)
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・吉田 秀和
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カスタマー平均評価: 5
音楽を聴く喜びの書 著者は音楽についての好き嫌いは「純粋に私事」に属するので、あまり大切なことだとは思わないと述べている。それゆえ、かえってこういうエッセイ集は貴重であろう。それに、書き手の音楽に対する造詣が広くかつ深いので、その好悪は普遍的な域に達していると感じられる。バッハからベルク、ヤナーチェックまで著者が深い愛着を覚えた名曲について、実に充実した文章が展開する。
その特質は「吉田さんは、音楽を聴くことの幸福を書いた。あるいは、その幸福感と文明との関係について書いた。それが吉田さんの仕事の主題なのである。」という丸谷才一氏の吉田秀和評に尽きていると思われるが、そういう幸福感をこの本を読むことで我々も味わうことができるのである。
吉田秀和氏の名著がこのような形で復活して本当にうれしいかぎりだ。
いまだに感動しているのかしら ほぼ20年ぶりの再読。新潮文庫版を何度ひもといたことか。
改めて読んでみても、初読の感動が甦ってくる。冒頭のベートーヴェンのカルテットとピアノソナタで感極まってしまった。シューベルトの『グレイト』の章では、楽音が耳に鳴り出す。
そして必ず気に入りのディスクを架けて、吉田の文章を読み返してしまう。何度でも読みたくなる。
モーツァルトのクラリネット協奏曲での「かわいそうなブラームス」という痺れる文句。
ストラヴィンスキーでの叶わぬ初恋(?)記の上手さ。
音楽を叙述してこれ以上の文章は皆無なのではないか。吉田独特(と当時は思われた)の「かしら」という文末。見事である。
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[ 単行本 ]
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定本 映画術?ヒッチコック・トリュフォー
・フランソワ トリュフォー
【晶文社】
発売日: 1990-12-01
参考価格: 4,200 円(税込)
販売価格: 4,200 円(税込)
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・フランソワ トリュフォー
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カスタマー平均評価: 5
最高の映画本です 今となっては信じられないことだが、我が国でヒッチコックが正当に評価され始めたのは彼が亡くなってから、つまり80年代に入ってからと記憶している。それまでの評価は「技術的には良いセンスを持っているが、作品自体は思想性を欠いていて軽くてとるに足らない」というのが大勢を占めていた。その証拠に、我が国で最も権威がある(?)映画誌であるキネマ旬報が毎年度末に発表する外国映画ベスト10にランクインしたことのあるヒッチコック作品は、私の記憶が確かであれば「レベッカ」、「断崖」そして「鳥」の3作のみである。これはわが国の映画評論家と呼ばれる人たちの大部分が、いかに愚劣な存在であるかを証明する雄弁な証拠でもあるが、アメリカでも事情は同じである。なんとヒッチコックはただの一度もアカデミー監督賞を受賞したことがないのだ!!!
80年代初頭に我が国で起こった再評価のキッカケは、東京や名古屋の大都市で50年代の絢爛たる代表作が大挙再上映されたのと(当時私も貪るやうに観にいきました)、本書(「定本」でない最初の邦訳は80年代に出版されている)によるところが大きいと思う。
監督になる前は評論家でもあったトリュフォーはもちろん熱烈なヒッチコックファンでもあった。本書における彼の凄みは、この本が製作された60年代後半までのヒッチコック作品をすべて観ているだけではなくて、細かい部分まで詳細に記憶していることである。まだ市販のヴィデオもない時代にである。そしてヒッチコックを心の底から尊敬しているし、彼の各作品に対する質問や見解は常に的を得ていて、興味津津のものばかりである。本書に永遠の価値を与えているのはもちろんヒッチコック作品の偉大さであるが、それを再認識させるトリュフォーの引き出しかたが絶妙かつ完璧なのだ。
たとえば名作「海外特派員」を語り合うところで素晴らしいやりとりがある。飛行艇が海に墜落して操縦席に海水が飛び込んでくる有名なラストシーンをどうやって撮影したか?ヒッチコックが逆にトリュフォーに質問すると、なんとトリュフォーは、その複雑な撮影方法を即座に正しくスラスラと答えてしまうのだ!
今まで多くのヒッチコック本を読んだが、本書が間違いなくNO.1。これを前にしたら、他のヒッチコック本は恥ずかしくて消えていなくなるしかないと思う。偉大なる二つの魂の奇跡の邂逅。すべての映画ファンは必読!!
「よいしょ本」 1967年に出版された、「よいしょ本」です。
ヒッチコックは、最後の傑作『鳥』を撮り上げたころです。自分の作品を研究し尽くした、若き才能たち(スピルバーグetc)に追い上げられ、活躍の場が徐々に狭まっていく前の、ひとときです。
ピークをすぎた“天才”が、
敵に塩をおくることがあるのか。
ありえませんッ!!
自分の手のうちを明かすには、もう歳をとりすぎています。のらりくらり、質問をかわして、本質は語りません。
「よいしょ本」です。
ファンには楽しめる本ですが、
“創り手”には参考になりません。
ファンのみなさん、ごめんなさい。
トリュフォー先生の『黒衣の花嫁』はオススメです。
複雑な影 大きくて高い本だが 実に面白い本だ。
ヒッチコックというと ミステリーの巨匠と言われるかもしれない。確かに彼の映画でミステリーや犯罪が出てこないものは まず無い。従い 万人が見て面白いという点は言えると思う。その意味ではヒッチコック映画は娯楽映画である。
但し 単なる娯楽映画に終わっていない点が ヒッチコックなのだ。二点あげたい。
まず一点目。映画の技術をベースとした きわめて前衛的な映像作家であったという点だ。
「ロープ」の長廻し、「鳥」の音響効果、「裏窓」の舞台設定、「ハリーの災難」のブラックユーモア、「フレンジー」の殺人場面等 独創的な映画要素が盛り込まれている。これがあるからこそ 結果が分かっていても 幾度も繰り返し見てしまうものがある。トリュフォーのような ヌーベルバーグの巨匠がインタヴューをしたくなるわけだ。
二点目。
ヒッチコックの映画の底に流れる奇妙な暗さが特殊な味付けをつけている。たとえば 彼の映画には 基本的にはマザーコンプレックスが通奏低音としてある。
「サイコ」は言うまでもないが 「北北西に進路を取れ」「鳥」「見知らぬ乗客」等には必ず マザーコンプレックスが出てきている。
そもそもヒッチコック自身が 幾分 影のある人物であり それなりに屈折した人であった点は 有名らしい。「太った ウィットの効いた人物」という雰囲気は 彼なりの演出であり相当に複雑な人だったらしい。そんな彼自身の「影」が 彼の作品にも染みついている気がしてならないのだ。
ヒッチコックは 多くの映像作家にとって「先生」だったという。この本を読んだのも20年前だが その印象はいまでも強く残っている。
技術、手術、映画術 10年前の1997年。古書店で何度か糊口をしのいだあとの何刷目かの何冊目か、幸い早期に発見された胃癌の切除のための入院中、当時はまだ内視鏡技術が現在のようでなく、患者を適度に弱らせるための手術前の6日間に読み直した。観ていた作品は反芻し、観ていない作品はイメージを馳せながら。思い起すとそこには夥しい死とその方法が表現されていたのに、とても慰められた。知り合いのなかには、当時ベストセラーだった松本人志の「遺言」をお見舞いに持って来たお馬鹿もいたが(読まずに捨てた)。2度と映画を観ることが出来なくなるかも知れないと、そのとき、映画の塊りたるヒッチコック/トリュフォー/山田宏一氏/蓮實重彦氏の更に塊りであるこの本の純度が、言いようもない不安を薙いでくれた。そして、いま私の部屋の本棚には「映画術―ヒッチコック・トリュフォー」の定本がある。今朝もある。
読み物としてもおもしろい 「映画術」というタイトルに怖気づいてしまう人もいるかもしれませんが、そんなに堅苦しい本ではありません。
映画のことしか頭にないシネフィル然としたトリュフォーと、冗談好きですぐに話がそれるヒッチコックの会話を読むだけでも楽しめます。
映画ファン必読なのは言うまでもないとして、「run for cover (確実な地点に戻ってやり直せ)」「現実とは創るものだ」などの言葉は映画関係者以外の人でも人生訓・処世訓として使えそうです。
トリュフォーの方もさすが元批評家だけあって質問の仕方がうまく、核心を突いていますが、ヒッチコックはどんな質問にも「そう、その通り」と答えて本質的な部分をはぐらかしているようにも見えます。
やはり芸術家たるもの、自分の作品を長々と解説して解釈の幅を狭めるようなことはしたくないのでしょうね。
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[ 文庫 ]
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ガンダム合戦伝 (PHP文庫)
・株式会社レッカ社
【PHP研究所】
発売日: 2009-04-01
参考価格: 600 円(税込)
販売価格: 600 円(税込)
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・株式会社レッカ社
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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疲れない体をつくる「和」の身体作法―能に学ぶ深層筋エクササイズ
・安田 登
【祥伝社】
発売日: 2006-05
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
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・安田 登
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カスタマー平均評価: 3.5
今後のエクササイズの洗練に期待 能を代表とする「和」が培ってきた身体技法の暗黙知を
見事に言語化している。
アメリカで生まれたボディワークである
「ロルフィング」を通して得た知見から
和の身体技法が如何に合理的であったかが、明らかになる。
読者も実行できるように、エクササイズも載っている。
しかし、実際にこれらのエクササイズを
この本を読んで実行するだけで、
「疲れない体をつくる」ことができるか
はなはだ疑問である。
簡単に言うと、ものぐさの自分としては、
エクササイズが難しすぎて、
恐らく3日も続けられない。
今後は、エクササイズをもっと簡単かつ効果的に
できるよう洗練ていただけると
うれしいのだが、、、
まずは能を知らないと 能をキーワードに身体の動かし方について知りたい、と思って読んでみました。
能についてあまり知識がないため、能の動きを応用したエクササイズはうまくイメージできませんでした。
わたしのように能について知らないと、実際のトレーニングには活用しづらいかもしれません。
こういった本は動画付きのもののほうがわかりやすいです。
本書は、ロルフィングについても触れていますが、それを説明しきれていなくて、ロルフィングについてもよくわからないままでした。
この程度の説明なら、ロルフィングについては書かないほうがいいのでは?と思いました。
その分を能の動きについてもっと詳しく深く掘り下げた方がいいのかもしれません。
姿勢がよくなりました。 健康はいいことだと思います。この本で姿勢を正す椅子を探し、購入しました。なんとなく腰に負担がかからないようになり、姿勢もよくなったような気がします。
理屈より実践法を 具体的に疲れない体を作る方法が詳しく書かれていると思ったので購入したが、期待はずれだった。
漢字の由来や古典に興味のある人には良い本かもしれない。だとすると、タイトルを内容に合うものにしてもらいたい。
実践法を知りたい人は1章、2章は読まなくてもいいでしょう。
日本人の秘密がココにある。 現代の日本人には、あまりみられなくなった所作が能楽に継承されています。
60歳で中堅、70歳を過ぎても現役の世界です。
深層筋を活用したその動きに秘密があります。
その鍛錬方法や整え方が、具体的にしかも易しく書かれています。
実践しやすい内容は、必見の価値ありと想います。
本来の日本人パワーの源かも知れません♪取り戻したいですね!
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[ 単行本 ]
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となりのトトロ スタジオジブリ絵コンテ全集〈3〉
・宮崎 駿
【徳間書店】
発売日: 2001-06
参考価格: 2,520 円(税込)
販売価格: 2,520 円(税込)
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・宮崎 駿
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カスタマー平均評価: 4.5
台詞のない世界 半歩踏み込んだトトロの世界と宮崎駿監督のユニークで温かい人柄がちりばめられていて、監督のコメントに思わず吹き出してしまいます。台詞の無かった部分にはこんなやりとりがあったのかぁと思ったり、ねこばすのあのふかふかさ加減にはこういう指示が出ていたのかぁなど、もう一度映画が観たくなりました。
すごい!! 見つけて速攻購入した絵コンテ集。とにかく絵コンテがそのままいつも見ていたアニメのトトロになっていました。セリフもそのまんま。そして、宮崎監督のメモがたくさん載っていたので、言葉を話さないトトロがどんな気持ちだったのかがよくわかりました。メイちゃんと初めて会ったとき、メイちゃんがいなくなったときにさつきがトトロのところに行ったときなど・・・。やわらかい絵で描かれている絵コンテは、アニメとは違ったよさがあります。ぜひ手にとって見てください☆
アニメと違ったトトロの世界を 絵コンテ集を見ることなどあまり機会がないわたしですが,アニメと違った宮崎さんのタッチを見ることができました。特に,この本からは,アニメーションがこのようにしてできていくのだということを,ページを追っていくごとに感じることができます。個人的に好きなトトロのキャラクターが,とてものびのびとしたタッチで,生き生きと描かれている絵は必見です。
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